鹿児島県天文協会

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2012.05.14 Monday

1958年(昭和33年)の金環日食

天文協会に,54年前の金環日食の写真が寄贈されました。

1958年の金環日食とは
1958年(昭和33年)4月19日,金環日食が南西諸島から伊豆諸島にかけて起こりました。
この日の日本列島は晴天に恵まれ,全国各地で深い部分日食が見られました。
金環日食になったのは,南西諸島の種子島,屋久島,トカラ列島,奄美大島で,伊豆諸島では八丈島付近です。

この金環日食は,今年5月21日の金環日食から3サロス周期前のものです。
※ サロス周期:日食や月食が起こる日を予測するのに用いられる周期,1サロス周期は,約18年10日8時間

種子島で撮影された金環日食
今回の写真は種子島の中学校校庭で撮影されたもので,ご本人の話によると教員5名,中学生6名が日食の経過や気象現象などを観測したそうです。

写真は2インチ(5cm)屈折望遠鏡(f=760mm)での直焦点で,JJYで時刻を計って5分ごと(金環中は15秒ごと)に撮影しています。撮影した写真は一枚のパネルにまとめられています。
1958金環日食連続写真

なかでも,第三接触(金環食の終わり)直前に撮影された写真では,月縁の凹凸がビーズのように見える「ベイリービーズ」もしっかり分かります。
1958金環日食(種子島)
これらの写真から,この場所での日食の継続時間は3時間42分30秒,金環食の継続時間は4分0秒,最大食分は94.19%で食の最大は12時53分30秒,接触時間については,それぞれ第一接触11h0m45s,第二接触12h55m45s,第三接触12h55m45s,第四接触14h43m15sと求めています。
ただし,第一接触と第四接触の時刻は,太陽と月との接触面がある程度食い込まないと判断がつきにくかったそうです。また,第二接触と第三接触では,接触面がビーズ状(ベイリービーズ)になり,接触時刻の判断には苦しんだそうです。

気象観測も
また,照度,気圧,気温,湿度,水温(貯水池),地温,風向,風速などを測定しています。
10分ごとにまとめられたデータから,グラフにしてみました。

気温,水温,地温の変化
1958金環日食(気温と水温・地温)
気温は食の最大時刻より約15分遅れて最低になっています。

気温,湿度の変化
1958金環日食(気温と湿度)
湿度は気温の変化とくらべて対照的です。

照度は直射を避け,教室内の一定の場所で測定したとあります。
1958金環日食(気温と照度)

ほかにも気圧,風向,風速についても記述があります。

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54年前の金環日食については,「見た」という人は多いのですが,ここまで丁寧に観測した記録は見たことがありません。記録の大切さを感じるとともに,来週に迫った金環日食での観測の参考になればと思います。

コメント

54年前の金環日食の写真。
連続撮影でちゃんと1枚にまとめられている写真は、
見た事ありません。
しかも、このクオリティーの高さ驚き!!です。
ポジで適正露出で撮影されていますねー。
この写真を見るとデジタルカメラだけでなく、
写真の保存を考えるとポジでもおさえておいた方が
良いような気がしてきました。
撮影計画を練り直します。
また気象データもとても貴重で、興味深く拝見しました。

是非5月27日の金環日食説明会会場で、生で見たいです。
2012/05/15 8:15 AM by karan

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